大阪・北堀江に事務所を構えて20年目になる建築家・高橋啓が、 [大阪長屋] を研究・分類・現代化して、新しい大阪の都市型3階建住宅、<新・大阪長屋>を20タイプ製作致しました。下記の大阪長屋の3タイプ①②③型を現代化して、敷地面積16坪~50坪まで、2坪刻みで18サイズの敷地に、全20タイプの、令和時代の自然豊かな大阪の新しい都市型3階建住宅をつくり、20タイプの平面図・説明図・写真パネル・1/50スケールの模型 ( 次頁参照 ) の展示を行います。大阪の敷地面積16~24坪の敷地の都市型住宅を、新・大阪長屋の「小さな豪邸」と名づけ、比較的コンパクトな敷地でも大阪の都市部で自然豊かな < 住まい > に暮らす方法をご提案致します。
敷地面積26~50坪のプランについても、大阪長屋を正統的に、また、ダイナミックに現代化した大阪の都市型住宅をご提案致します。
会場となる『トーヨーキッチンスタイル大阪ショールーム』には、この『新・大阪長屋』に合う、様々なレイアウトのキッチンと、それに合わせたダイニングやリビングのインテリア製品を多数展示しています。外観だけでは無く、実際にどんな暮らしが待っているのかを、体感出来るキッチンとインテリアのショールームです。
新・大阪長屋のテーマ
1.大阪の<衣 ・ 食 ・ 住 > の 「 住 」にも 、面白さを追求する
令和時代に、大阪人が日々生み出している「笑い」も、元禄時代 ( 1688年~ ) から始まった大阪の上方演芸の歴史に、どこか裏づけされているところがあり、確たる歴史に基づいています。日々の暮らしに「笑い」を求めて続けてきた大阪人が、日々暮らす < 住まい > に、「笑い/面白さ」を求めることがなくなって、相当な時間が経過してしまったように感じています。平成の時代が進むにつれて、合理的な< 住まい > ばかり建てられるようになり、大阪人にとって < 住まい > は、面白くならないもののように感じ始めているのかも知れませんが大阪の < 住まい > も、明治・大正・昭和の時代に大阪独自の進化も遂げた [ 大阪長屋 ] をお手本にして、今の時代にふさわしい < 住まい >に、ダイナミックに現代化することで、大阪の都市型住宅を、どのようにでも面白くすることができると考えています。
令和時代は、大阪のような大都市に、どのようにすれば住宅に人が本当に豊かに住めるかを、追求し続けていく時代だと考えています。
2.大阪の「住」の歴史を昭和から令和の時代につなぐ
大阪の都市住宅の原型は、大阪長屋です。1941年 ( 昭和15年 ) に実施された調査では、大阪市の長屋建の比率は94.86%であり 圧倒的な比率で長屋が多く、この時代のほとんどの大阪の人々が、長屋に住んでいたことになり、大阪長屋が大阪の都市住宅の原型である ことが分かります。大阪長屋は、昭和の戦後から新たに建てられることがなくなり、現在は衰退の一途を辿っています。つまり、大阪長屋 は、平成の時代に受け継がれることも、進化することもありませんでした。平成の時代に、建物の高層化は進みましたが、都市で豊かに住 むということは、追及されてこなかったように感じています。平成の時代に発展することのなかった大阪長屋を、令和の時代に発展させて 大阪長屋の歴史の流れを、昭和から令和へと丁寧に繋いで、大阪の < 住まい > ( 「住」 ) を発展させていきたいと考えています。
3.大阪の住まいに「庭」を取りもどして、3階建の立体的な庭をつくる
大阪長屋は、昭和の戦後、団地へと切り替えられていきました。団地が、中層・高層・超高層マンションへと発展し、平成の時代にタワー マンションが数多く建てられて、長屋→団地からの進化としては、ひとつの完成型ができたように思われますが、タワーマンションで暮ら すことが本質的に豊かなことであるとは、それほど多くの人が考えていないように思われます。令和時代の新しい大阪の住まいを考える上 で、もう一度長屋から団地に移行する過程で失われたものを見極め、令和時代の大阪の本質的な住宅のかたちを考える必要があります。 その失われた最たるものが、大阪長屋の「庭」だと考えています。大阪長屋には、下記の①②③の3タイプがあり、すべてのタイプに庭が ありました。3タイプの大阪長屋を「庭」で分類して、「庭」を軸にして、大阪長屋を現代化しています。
<新・大阪長屋>は、大阪長屋の①②③の3タイプを受け継いで現代化した新しい1戸建の3階建住宅の提案であり、住宅と庭の [ 両方 ] を3階建に立体化し、1・2・3階のすべての階から自然の庭の風景を眺められる、大阪の都市型住宅を20プラン、ご提案しています。
※大阪長屋の③通り庭型は、③-1~3の3タイプに分けて発展させ、最後に、全く新しい④未来型まで展開しています。
<お問い合わせ先>
展覧会の内容について:高橋啓 ( 建築家 ) /C一級建築士事務所
※展覧会の模型・図面等の素材は、すべて揃っておりますので、会期以前に取材をお受けすることが可能です。
会場等について:株式会社トーヨーキッチンスタイル大阪ショールーム 担当者:原(tel:06-6241-5010)